分子ガストロノミーは普段の料理からは想像つかない料理を出す科学的分野のことを言います。泡になったポン酢やじっくり焼いた生のようなステーキなど、驚きと喜びを楽しめる、今までにない調理です。未知の世界「分子ガストロノミー」について少し探ってみましょう。
分子ガストロノミーとは
「ガストロノミー(gastronomy)」は日本語で訳すると「美食学」です。調理を物理的、科学的に解析した科学的分野のことを指します。例えば、液体窒素を使用して、ピーナッツソースを瞬時に固めて料理の器にする手法も分子ガストロノミーです。普段の調理では味わえない食感や組み合わせは、開発当時から世間をにぎわせました。
分子ガストロノミーは1992年にイタリアで始まり、伝統料理の化学的な分析をするための研究会が始まりだったとされています。伝統的料理による作り方は果たして科学的に合っているのだろうか、調理方法を変えると食感はどのように変わるのだろうか、と話したそうです。
スペインは分子料理の先駆者!
美食はスペインで始まったのではなく、分子はイタリアで始まりましたが、それを国際的な現象にしたのはバルセロナのシェフ、フェランアドリアでした。
アドリアはスペインにミシュラン3つ星レストラン「エル・ブジ」をオープンし、長さ2メートルのメロンとスパゲッティ風味のキャビアを作り、騒動を巻き起こしました。
また食材をなんでも泡へと化する調理機器、エスプーマを開発したのもシェフ、フェラン・アドリアと言われています。
「エル・ブリ」は2011年に閉店しましたが、今は料理研究財団として分子料理の先を研修しつづけています。
分子料理はより身近になった
自宅でも簡単に分子料理が作れる調理機器やより気軽に分子料理を食べられるお店も増えました。
家庭用のエスプーマや話題となった低音調理器などは、初心者でも簡単に作りやすいです。またオンラインや電気店など身近なところで販売しています。
また「エル・ブリ」で勤務していた日本人シェフも数名います。そのため、日本でも「山田チカラ」や「81(エイティワン)」のようにシェフ、フェラン・アドリアの哲学を受け継いたお店はあるのです。
より身近で体験できるようになった分子ガストロノミーの世界をぜひお試しあれ!
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