皆さんはオリーブオイルを購入するとき、産地やオリーブの品種をチェックしますか?スペインは世界をリードするオリーブオイル生産大国で、世界中で販売されているオリーブオイルの2本に1本がスペイン産です。つまり、スペインにとっては日本のお醤油のような、国を代表する食品。海外産の醤油より日本産の醤油を選ぶのが当然なことと同様に、スペイン産のオリーブオイルを選ぶことは当然かつ必然なことなのです。
そして産地チェックの次に大切なのが、「オリーブの品種チェック」。皆さんは何種類のオリーブ品種名をご存知ですか?実はスペインではなんと200種類以上の品種を栽培しています。その中でとても重要な「オリーブ5大品種」をご紹介します。
スペイン産オリーブオイルは単一品種のものが多い。
5大品種をご紹介するまえに、ここで豆知識。スペイン産以外のオリーブオイルの品種をチェックすると、実は複数種のオリーブがブレンドされていたりします。スペイン産オリーブオイルは殆ど「単一品種」。不純物も限りなく少なく、純度が高い高品質なオイルなんです。
では、5大オリーブ品種をご紹介します。いずれの品種のオリーブオイルは、どんなお料理にも合いますが、「まずは簡単にトライできる」料理も一緒にご紹介します。
スペインで栽培されている品種のうち約半数!『ピクアル』
【特徴】
- ポリフェノール値が高い
- フレッシュでグリーンのアロマ
- トマト、生野菜との相性が抜群
世界のエクストラバージンオリーブオイルの評論家や愛好家から賞賛される、オリーブオイルの聖地・アンダルシア地方、ハエン県を代表する品種です。
ピリッとした辛みが強めの品種ですが、この辛みがとても重要。なぜならばこの辛みの正体は「ポリフェノール」だから。ポリフェノール特有のピリッとした辛さが感じられるほど含有量が多いのです。
ポリフェノールは抗酸化作用が強く、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用があり、動脈硬化など生活習慣病の予防に役立つと言われています。
さらに、若いトマトの香りやグリーンの香りが豊かなのも魅力。パスタや煮込み、グリル料理、和食、などどんなお料理にも合いますが、まずはカンタンなグリーンサラダやガスパチョ、トマトのサラダなどのシンプルな料理でその味わいと香りをチェックしてみてください。
オススメレシピ
フルーツとナッツのアロマ!『アルベキーナ』
【特徴】
- オリーブオイル特有の甘みが高い
- バナナやリンゴ、アーモンドのアロマ
- お菓子づくりにオススメ
口に入れた瞬間に広がるフレッシュなフルーツの香りと、まろやかな口当たり。そして後から、ナッツ香が広がる、まるでワインのような奥行のある味わが特徴の品種です。ピリッとした刺激が少なく、青い香りも少ないので、フルーツとの相性が抜群なんです。また、アップルパイやフルーツタルト、ドライフルーツのパウンドケーキなど果物を使ったお菓子や、フロランタン、マカダミアクッキーなど、ナッツの入ったお菓子を作るときにアルベキーナを入れると、旨味と香りが倍増します。
バターや生クリームなどを減らして、オリーブ果実のオイルを使うことで、よりヘルシーなお菓子にもなるのでオススメです。
オススメレシピ
名前の由来は“ヤギの角”!『コルニカブラ』
【特徴】
- オレイン酸が豊富
- 苦味と辛みと甘みが完璧なトライアングル
- 青魚、刺身との相性が抜群
ピクアルについでスペインで多く栽培されている品種で、果実の形がヤギの角に似ていることからつけられたそうです。コルニカブラ最大の特徴は「三位一体のバランス」。あまみ、苦味、辛味が見事に調和しています。そして嬉しいポイントは、オレイン酸が豊富なこと。オレイン酸は、善玉コレステロールを減らさず、悪玉コレステロールのみを減らす働きがあるので、動脈硬化、心筋梗塞・脳梗塞・高血圧など、生活習慣病予防にも有効です。
シーフード、とくに青魚との相性がよいので、しめ鯖や、鯖の塩焼き、アジのたたきなどにかけて食べてみてください。お魚の臭みも和らぎ、味わいも一層まろやかに、コク深くなります。
オススメレシピ
名前はブランカ(白)だけど香りがグリーン!『オヒブランカ』
【特徴】
- オレイン酸とビタミンEが豊富
- 刈り立ての草のようなグリーンなアロマ
- 根菜や卵料理、グリル料理との相性が抜群
アンダルシア地方コルドバ原産の品種で、白っぽい(ブランカ)葉の色をしていることが名前の由来。香りはびっくりするようなグリーンの香りが広がり、ハーブやアーティーチョークのようなアロマも感じられます。辛みや苦味は控えめでほんのり感じる程度。まずは、ジャガイモ料理や、具材をたっぷりいれたスパニッシュ・オムレツなどシンプルなお料理でためしてみてください。お料理上級者の方は、茹でたまごとベーコンののったコルドバ名物サルモレッホにも是非チャレンジしてみて。
オススメレシピ
その名も「高貴」。芳醇なイチジクの香り!『ロイヤル』
【特徴】
- 聖地・ハエン県の郷土品種で希少な品種
- コク深くとにかくフルーティー
- お肉料理に
最後にご紹介するのは、ハエン県の郷土品種ロイヤル。栽培地域はハエン県の北部シエラス・デ・ノルテに限られています。そのため、収穫量が少なく、希少かつ高貴な品種でもあります。そして何といってもその香り。イチジクのような爽やかでほんのり甘い香りと、バニラなナッツ香がします。お料理は赤身肉のステーキやビーフシチュー、トマトベースの煮込み料理などにお薦めです。
オススメレシピ
【スペイン産オリーブオイルの品種について】
【スペインのオリーブオイル産業に関するおすすめ記事】
0 コメント