今や日本でもお馴染みの、スペインのタパス。今回は少し掘り下げて、このタパスについてご説明いたしましょう。
スペイン文化を語る際、タパスなしでは語りきれないくらい、タパスはなくてはならない存在です。タパスとは、飲み物についてバルなどで出される少量の食べ物のことを指します。スペインではタパスを食べ歩くことがとても当たり前で、友だちなどとバルをはしごして食べたり、飲んだり(通常はビールやワイン)するのがお決まりです。
この伝統の始まりはどこにあるのかはっきりしていませんが、いくつかの定説があります。ある人は、客がよりたくさん飲み物を頼むように、少量の塩辛い食べ物(例えば生ハム)を出していた、というように居酒屋のオーナーの経済的関心から生まれたと言います。別では、タパスは以前居酒屋で飲み物を提供するコップに埃や虫が入り込むことを防ぐために、一切れのパンを上に乗せてふたのように使っていたことから始まったと言う人もいます。また、別の説では、人々が簡単に酔っ払って口論を繰り広げないように、飲み物と一緒に食べ物を提供するようカトリック両王が義務付けたとしています。
起源がどうであれ、タパスは世界中で知られ、スペイン文化の必要不可欠な要素であることに変わりはありません。タパスに行く、と言うことは友だちと楽しい時間を共有しに行くと言うことの同義で、読んで字のごとく、美味しい社交生活を送る方法です。タパスは、毎年ベストタパスを選ぶコンクールがあるほど重要なもので、中でもサンセバスチャンやバジャドリーなどのコンクールが有名です。
タパスは前述の通り、小さな皿で提供される少量の食べ物なので、色々な種類があります。典型的、伝統的なものでは、スパニッシュオムレツ、生ハム、チーズ、オリーブの漬物、イカリングフライ、コロッケ、ムール貝、腸詰類(モルシージャ、チョリソー)、フィッシュフライ、スペイン風ポテトサラダ、ポテトフライ(アリオリソース)など、数えきれない種類のタパスがあります。
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