今、有機(オーガニック)が流行であることは言うまでもありません。スペインにおける有機オリーブオイルの消費も、ここ数年で増加傾向にあるという調査結果があるそうです。
オリーブオイルが有機食品として取り扱われるためには、先ず使用されるオリーブの実が農薬不使用で栽培されていることが条件になります。有機栽培のオリーブ園では、雑草除去には除草剤ではなく、羊の群れを放して羊たちに草を食べてもらいます。羊たちのえさにもなり、雑草もなくなる。まさに一石二鳥とはこのことですね。殺虫剤も使用しないので、代わりに自然の捕食者(小動物など)の増加を促進したり、自然由来の製品を使ったりします。また、輸送の際には交差汚染を防ぐため、有機栽培でないものとの接触を避けます。工場での粉砕工程、テイスティング、オイル分類の工程でも同じです。農薬をはじめとした化学製品に一切影響を受けてはいけないのです。実際、殺虫剤やその他の化学製品がゼロであることを分析、コントロールする工程もあります。こうすることで有機食品である証明がされます。
さて、味に違いはあるのでしょうか。結論から言うと、従来のオリーブオイルと有機オリーブオイルに味の違いはありません。プロのオリーブオイルソムリエでも味の違いを区別することはできません。これは従来のオリーブオイルも添加物や防腐剤を含有しない、オリーブの実の絞り汁だけで作った自然食品であるためです。
上述の通り、味に違いはないのでオーガニックのオリーブオイルを選ぶことは、より良い味を求めることではありません。栽培の過程で化学物質を含んでいないため、サステイナビリティ、より健康的な商品を選ぶことを意味します。有機オリーブオイルを消費することは、環境汚染を防ぎ、環境保護に貢献することにもなります。
日本で有機食品を求める際には、JAS法に基づいて定められた規格に則った「有機JASマーク」が信頼のおける唯一の目印ですので、ぜひ一度注目してみてください。
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